「冬は暖かく、夏は涼しい家に住みたい」。そう思う方にとって、高気密・高断熱住宅は注目のキーワードです。しかし、「具体的にどんなメリットがあるの?」「UA値って何?」と、専門的な言葉が並ぶと少し身構えてしまうかもしれません。
この記事では、高気密高断熱住宅のメリットをわかりやすく解説し、岐阜の気候に合った断熱性能の選び方もご紹介します。光熱費を抑えながら快適に暮らしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

高気密・高断熱住宅とは|断熱性能とUA値をわかりやすく解説
高気密・高断熱住宅とは、壁や窓、屋根の断熱性能を高め(高断熱)、建物のすき間を少なくした(高気密)住宅のことです。外の暑さや寒さが室内に伝わりにくく、冷暖房で快適にした室温を逃しにくい構造です。
断熱性能を示す数値としてUA値(外皮平均熱貫流率)があります。UA値は数値が小さいほど断熱性能が高いことを意味します。
| 基準 | UA値の目安(地域区分6の場合) |
|---|---|
| 省エネ基準(断熱等級4) | 0.87以下 |
| ZEH基準(断熱等級5) | 0.60以下 |
| HEAT20 G2グレード相当(断熱等級6) | 0.46以下 |
※上記のUA値は岐阜市・各務原市など地域区分6の基準値です。HEAT20 G2グレードと断熱等級6は異なる評価体系ですが、地域区分6ではいずれもUA値0.46以下が基準となっています。岐阜県北部(飛騨地方など)は地域区分が異なり、より厳しい基準値が適用されます。同じ等級でも、窓の大きさや建物の形状でUA値は変わります。なお、2022年に新設された断熱等級7(UA値0.26以下)はHEAT20 G3グレード相当で、さらに高い断熱性能を示します。※プラン・仕様により実際のUA値は異なります。
気密性能はC値(相当隙間面積)で表します。C値が小さいほどすき間が少なく、1.0以下が「高気密」の目安です。0.5以下であればさらに高い気密性能といえます。断熱・気密と自然素材の組み合わせについては「自然素材と高性能住宅で叶える快適な暮らし」で詳しく解説しています。
高気密高断熱住宅の5つのメリット|光熱費・快適性・健康面

高気密・高断熱住宅で暮らすと、どんな良いことがあるのか。5つのメリットをご紹介します。
1. 光熱費が抑えられる
断熱性能が高い家は、冷暖房の効率が良く、少ないエネルギーで室温を維持できます。光熱費の削減効果は住宅の仕様や暮らし方によって異なりますが、年間を通して冷暖房効率が向上するため、長い目で見ると光熱費の節約につながります。
2. 部屋ごとの温度差が少ない
高断熱住宅では、リビングと廊下、脱衣所とお風呂場の温度差が小さくなります。冬に廊下やトイレが寒くて辛い、という悩みが解消されます。
3. ヒートショックのリスクが下がる
部屋間の温度差が少ないことは、特に高齢者にとって健康面で注目されているポイントです。急激な温度変化によるヒートショックのリスク軽減が期待されています。
4. 結露が起きにくい
適切な断熱と気密に加え、計画的な換気と湿度管理がされた住宅は、壁内結露や窓の結露が起きにくくなります。カビやダニの発生を抑え、室内の空気環境を清潔に保ちやすくなります。
5. 補助金・税制優遇を受けやすい
ZEH水準以上の住宅は、みらいエコ住宅2026事業や住宅ローン減税で有利な条件が適用されます。性能の高い家を建てることが、経済的なメリットにもつながる時代です。
岐阜の気候に合った断熱性能の選び方

岐阜県南部(濃尾平野)は内陸性気候で、夏の猛暑と冬の寒さの両方に対応する断熱性能が必要です。
夏の暑さ対策
岐阜は最高気温が35度を超える猛暑日が多い地域です。断熱性能が高ければ、外の暑さが室内に伝わりにくく、エアコンの冷房効率が大幅に向上します。加えて、南面の窓に遮熱タイプのLow-Eガラスを採用したり、深い軒で直射日光を遮る設計も有効です。
冬の寒さ対策
冬は伊吹おろしと呼ばれる北西からの冷たい風が吹き、体感温度が下がりやすくなります。北西面の窓は小さめに設計し、断熱性能の高いサッシを採用することで、寒さの侵入を防ぎます。
推奨する性能レベル
岐阜の気候条件を考慮すると、UA値0.46以下(HEAT20 G2グレード相当) を目指すと、年間を通じて快適に過ごしやすくなります。C値は1.0以下、できれば0.5以下を目指したいところです。※UA値・C値はプラン・仕様により異なります。
高気密・高断熱住宅で注意したいポイントと対策

高気密・高断熱住宅は多くのメリットがありますが、知っておきたい注意点もあります。
計画的な換気が必要
気密性が高いということは、自然換気が少ないということでもあります。24時間換気システム(第一種換気または第三種換気)を適切に設計し、室内の空気を常に新鮮に保つことが重要です。岐阜は春の花粉が多い地域でもあるため、フィルター付きの換気システムがあると、窓を開けずに換気できるメリットがあります。
湿度管理への意識
高気密住宅では、室内の湿度が上がりやすいことがあります。調湿効果のある内装材(無垢材、珪藻土の塗り壁など)を採用したり、除湿機能付きの換気システムを導入したりすることで対策できます。
施工品質がカギ
断熱材の施工品質にバラツキがあると、設計どおりの性能が出ません。気密測定(C値の実測)を行っている工務店を選ぶことが、性能を確保するための重要なチェックポイントです。
性能の高い家を選ぶためのチェックリスト
高気密・高断熱住宅を検討する際のチェックポイントをまとめます。
- UA値の目標値を明示しているか
- 気密測定(C値の実測)を行っているか
- 24時間換気システムの種類と仕様を説明できるか
- 断熱材の種類と施工方法が明確か
- 窓の断熱性能(サッシとガラスの仕様)を説明できるか
- 過去の施工実績でUA値・C値の実測データがあるか
- 夏の暑さ対策(遮熱・日射コントロール)も考慮されているか
これらのポイントを工務店やハウスメーカーに質問してみてください。性能に真剣に取り組んでいる会社であれば、具体的な数値や施工事例をもとに丁寧に説明してくれるはずです。
まとめ
- 高気密・高断熱住宅は光熱費の削減、快適性の向上が期待でき、健康面でも注目されている
- 断熱性能はUA値、気密性能はC値で客観的に評価できる
- 岐阜の気候にはUA値0.46以下、C値1.0以下が推奨(※プラン・仕様により異なります)
- 高気密住宅には計画的な換気と湿度管理が必要
- 施工品質が性能に直結するため、気密測定の実施が重要
住まいの性能について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。岐阜の気候に合った快適な家づくりを、一緒に考えていきましょう。



