「子どもが独立して部屋が余っている」「子ども部屋を、そろそろ2つに分けたい」。ライフステージの変化とともに、今の間取りが暮らしに合わなくなってきたと感じる方は少なくありません。間取り変更リフォームの費用は、建て替えずに住まいを今の家族に合わせてアップデートできる分、抑えやすいのが特徴です。この記事では、間取り変更リフォームの費用の目安と事例、注意しておきたいポイントをわかりやすくご紹介します。
間取り変更リフォームで叶えられること
家族構成やライフスタイルの変化に合わせて、間取り変更リフォームでは様々な暮らしの工夫が叶えられます。子どもの独立で使わなくなった個室の壁を撤去して広いLDKにする、逆に将来の同居に備えて個室を増やす、家事動線を短くするために水回りの配置を見直すなど、用途は多岐にわたります。
代表的な間取り変更のパターンは以下の通りです。
- 隣接する2部屋を1部屋にする(壁の撤去)
- 1部屋を2部屋に分割する(間仕切りの新設)
- 独立した和室・LDKを一体空間に変更する
- 廊下や収納の配置を見直し、動線を最適化する
建て替えに比べて費用と工期を抑えながら、建物の骨格を活かしつつ室内の使い方を見直せるのが、間取り変更リフォームの大きな魅力です。「建て替えるほどではないけれど、今の間取りに不満がある」という方に選ばれています。将来的な親との同居や、車椅子でも通りやすい廊下幅への変更など、バリアフリーの観点から間取り変更を検討するご家庭も増えています。建て替えとリフォームの判断基準については、リノベーション・リフォーム完全ガイドでも詳しくご紹介しています。

費用の目安(壁撤去・間仕切り変更等)
間取り変更の費用は、動かす壁の種類や工事範囲によって大きく変わります。一般的な目安は以下の通りです。
| 工事内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 非耐力壁の撤去(1箇所) | 5万〜15万円 |
| 耐力壁の撤去・補強 | 30万〜100万円 |
| 間仕切り壁の新設 | 10万〜30万円 |
| LDK一体化(内装工事含む) | 100万〜300万円 |
| 部屋の増設(既存スペース活用) | 50万〜150万円 |
※金額は一例であり、住宅の構造・規模・仕様により異なります。詳細はお問い合わせください。
建物を支える「耐力壁」を撤去する場合は、梁での補強や他の場所への耐力壁新設が必要になり、費用が大きく上がる傾向があります。電気配線や空調ダクトの移設が必要になるケースも多く、クロスや床材の張り替えまで含めると想定より費用がかさむこともあります。
費用に差が出やすいのは主に次の3つです。
- 壁の種類: 耐力壁か非耐力壁かで、補強工事の要否が変わる
- 設備の移設: 水回りを伴う場合、配管の移設距離によって費用が変わる
- 内装の範囲: 壁の撤去だけか、床・天井・照明まで含めるかで変わる
見積もりを取る際は、どこまでの範囲が含まれているか内訳を確認し、複数社を比較すると納得感を持って進めやすくなります。
事例で見る間取り変更のパターン
実際にどのような間取り変更が行われているのか、代表的なパターンをご紹介します。
子ども部屋を1室から2室へ 子どもの成長に合わせて、大きな1部屋を間仕切りで2部屋に分けるケースです。将来また1部屋に戻せるよう、可動式の間仕切りを採用する方も増えています。
使わなくなった個室を撤去してLDKを拡張 使用頻度が減った個室や和室の壁を取り払い、リビングと一体化させることで、家族が自然と集まる広々としたLDKに生まれ変わります。


上の2枚は、続き間の和室をLDKへフルリノベーションした事例です。襖で仕切られていた和室の間仕切りと押入れを撤去し、対面キッチンを配したひと続きの空間に変えています。天井には雲梯を取り付け、お子さまが体を動かして遊べる仕掛けも加えました。同じ窓から見える景色はそのままに、暮らし方だけが大きく変わっています。
個室を撤去して回遊動線に 使わなくなった個室の壁を撤去し、キッチンから洗面・浴室へ回遊できる動線に変更。家事の負担軽減にもつながります。
水回りを集約して家事動線を短縮 点在していたキッチン・洗面・浴室の配置を見直し、隣接させることで、家事の移動距離を短くしたケースもあります。洗濯から物干しまでの動線が短くなり、家事の負担軽減につながったという声も多く聞かれます。
いずれのケースにも、「今の家族に合う間取り」へ暮らしをアップデートする発想が共通しています。子育てしやすい間取りの工夫については、家事がラクになる間取りの工夫でも詳しくご紹介しています。
工期の目安と住みながらのリフォーム
間取り変更の工期は、工事範囲によって幅があります。壁1〜2箇所の撤去・新設であれば数日〜1週間程度、LDKの一体化など複数箇所にまたがる場合は2〜4週間程度が目安です。耐力壁の補強や設備の移設を伴うと、工期はさらに延びる傾向があります。
工事箇所を限定できる場合は、他の部屋で生活しながら住みながらのリフォームも可能です。ただし、工事中は解体や造作でほこり・音が出るため、寝室や普段過ごす部屋からは離れた場所で作業してもらう、工事期間中だけ子ども部屋を一時的に別室にするなど、工務店と相談しながら進め方を決めておくと安心です。水回りを含む大掛かりな工事の場合は、短期間の仮住まいを検討するご家庭もあります。
注意点・構造上の制約
間取り変更で最も注意したいのが、撤去できる壁とできない壁があるという点です。建物の構造を支える「耐力壁」を安易に撤去すると、建物の強度が低下し耐震性に影響が出る恐れがあるため、撤去したい壁が耐力壁かどうかは図面や現地調査で必ず確認が必要です。
旧耐震基準の住宅は耐震診断もあわせて
1981年5月31日以前に建築された旧耐震基準の住宅は、現行の耐震基準を下回っている場合があります。間取り変更を機に耐震診断を受けることをおすすめします。岐阜県内では、旧耐震基準の木造住宅を対象に無料の耐震診断や改修費用の補助を実施している市町村もあります。詳しい制度については、岐阜のリフォーム・リノベーションで使える補助金制度まとめもご参照ください。
また、配管・配線の移設可否や、マンションの場合は管理規約による制約も事前確認が必要です。木造軸組工法か2×4工法かによっても変更できる壁の範囲が異なり、2×4工法は壁全体で建物を支える構造のため撤去できる壁の自由度が低い傾向があります。
現地調査で確認したいこと
現地調査の際に確認しておきたいポイントをまとめました。
- 撤去したい壁が耐力壁かどうか
- 天井裏・床下の配管・配線の位置
- 建築時期(1981年5月31日以前かどうか)
- 木造軸組工法か2×4工法か
- マンションの場合は管理規約上の制約
「この壁は動かせるのか」「動かす場合どれくらい費用がかかるのか」は、設計・施工の専門家に現地を見てもらいながら判断するのが安心です。
まとめ
- 間取り変更リフォームは、家族構成やライフスタイルの変化に合わせて住まいを更新できる方法
- 非耐力壁の撤去は5万〜15万円、耐力壁の撤去・補強は30万〜100万円が目安
- 子ども部屋の分割、LDKの拡張、水回りの集約など、暮らしに合わせたパターンがある
- 工事範囲によっては住みながらのリフォームも可能。工期は数日〜1か月程度が目安
- 耐力壁の見極めと、旧耐震基準の住宅では耐震診断の実施が重要なポイント
※金額はあくまで目安であり、実際の費用は現地調査により異なります。
「うちの壁、動かせるのかな」という段階でも大丈夫です。まずは現地を見せていただき、暮らしに合わせた間取り変更のご提案をいたします。
※本記事の内容はあくまで目安であり、実際の費用や工期は住宅の状態により異なります。正確な情報は現地調査でご確認ください。



